ギミーシェルター01
「あなたとあたし、セイゾンシャ」
女が言った。
加えてマシン・ガンの口を持ち上げる。
指さすみたいに。
目の先に立つ少年の姿に標準を合わせる。
少年は中腰の状態からゆっくり足を伸ばしていく。
「知ってるよ」
少年は、薄く静かに息を吐く。
「と、いうより。見れば分かる」
「そうね」
女は感情を伴わない声で流す。
跳ね返すみたいに。
銃口は下がらない。
彼女の反応を気にかけず、少年は気ままに目を巡らす。
女はそんな少年を見ている。
やがて彼女もそれに従う。
どこにも言葉はない。
長い間を置いて、一陣の風が吹く。
女がマシン・ガンから片手を離し長い髪を押さえる。
けれども、髪はあまり風にはそよがない。
顔といわず服といわず飛び散った返り血で、髪が固まってしまっているのだ。
少年は彼女が髪を押さえる動作を機に見回すのをやめた。目を戻す。
そして彼はゆっくりと女を見つめ口を開く。
「すごいね」
取り囲む状況の事を言ってるのであろうか、
彼女の有様の事を言っているのであろうか。
いずれにしても、と女は顎で頷いてみせる。
「キミ……では変だね。あなたが、これやったの?」
これ、で地面を指した。
あるのはもちろん死体。
「ええ」
「へえ」
「……いいえ、分からないわ。うち、何割かはそう、でしょうけど−−」
「けど?」
「だから、分からないの」
「そう、」
煙ってたからね、少年が同意するように。
それを受けて、
多分あの一帯と、この辺りはそうね。女は指で示す。
少年も付き合って視線を投げるが興味がありそうには見えない。
「弾は足りた?」
「まあね」
「ぼくは?」
「 ? 」
「ぼくもここで死ぬのかな?」
言って、少年は小首を傾げる。
何気なく、先を促ている。
応えて女は顎に手をやった。
芝居がかった仕草での考える素振り。
二呼吸ほどが空く。それからようやく口を開いた。
「そうね……
あさって、あたしの誕生日なの。誰かに祝って欲しいものね。
殺すのはその後でも遅くはないわ。」
挑発的とも取れる言葉とは裏腹に、女の唇は乾いている。

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